動脈硬化の検査
- 動脈硬化は加齢とともに誰にでも起こり得ます。
- 不規則な生活習慣や、糖尿病・高血圧などの生活習慣病は、動脈硬化の進行を加速させる危険因子です。
- 血管の健康状態を検査して、血管の老化を防ぎましょう。
- 動脈硬化を評価する検査には主に3つあります。
- 頚動脈超音波検査
- Endo-PAT検査
- CAVI/ABI検査
1. 頚動脈超音波検査

そのエコーの写真から血管年齢を測定する、基本的な動脈硬化の指標を示す検査とされます。
簡単に行えて痛みのない検査で、検査の時間は15分程度です。

- 超音波測定
•非侵襲性
•表在性動脈の血管壁と管腔の画像
血管の内膜壁厚と中膜壁厚の変化
IMTの厚さは動脈硬化の進行と共に厚くなることか知られており、IMTの正常は1mmを超えないのですが、1,1mm以上で血管の内側に向かってポコッと出ているものをプラークといいます。
プラークができる前の患者様は血管の壁をうすく保てるように、プラークがある患者様はプラークを安定化させてとばないようにしていくことが大切です。
当院では年に1度、血管壁の厚みを計測し、同年代の方との平均より患者様の血管年齢を測定する検査を行っています。
頸動脈は体の表面に近い太い血管でエコーによる評価に適していること、頸動脈分岐部と呼ばれる血管の分かれ道が、動脈硬化の好発部位であること、脳血管障害の危険度を推定するうえで極めて重要性が高いことなどの理由で首にエコーをあてています。
当院では年に1度、血管壁の厚みを計測し、同年代の方との平均より患者様の血管年齢を測定する検査を行っています。
2. Endo-PAT検査

動脈硬化は、早期の発見で予防や進行を遅らせることができます。
今までも、頚動脈超音波検査や血圧・脈波検査を調べることで、動脈硬化の進行を評価することが可能でしたが、これらは、プラーク形成や石灰化など、動脈硬化が起こった結果を評価するものです。
それに対し、より早期の段階で動脈硬化のリスクを知ることができる検査が血管内皮機能測定(Endo-PAT エンドパット)です。
血管内皮機能
動脈は比較的薄い外膜、厚く弾性繊維の多い中膜、そして最も内側に内膜があり、そこに血管内皮細胞が存在しています。
動脈は一酸化窒素(NO)が血管(中膜)に吸収されることにより拡張します。この一酸化窒素を作り出すのが、血管内皮細胞であり、血管内皮細胞が一酸化窒素を作り出す能力のことを、「血管内皮機能」といいます。

内皮機能が低下するとこれらのバランスが崩れ、血管を正常に保てなくなります。
内皮機能を検査することで、動脈硬化を早い段階で予防することができると考えられています。
Endo-PAT検査の流れ
エンドパット2000は、両手の指2本にPATプローブを装着して、指先の脈波を計測します。
途中で片腕を駆血し、駆血前後の脈波を自動解析し、RHI(Reactive Hyperemia Index(反応性充血指数)という数値を算出します。

1. 横になってリラックス
- 患者さんの片腕にマンシェットを装着し、ゆったりと座れる椅子かベッドに横になり、リラックスしてもらいます。
2. 患者さんの両手の指にプローブをつけます。

3. 5分間安静にしたあと、片腕を5分間駆血します。

4. 駆血を外して5分間、動脈の拡張機能を自動的に測定します。

Endo-PAT検査結果

3. CAVI/ABI検査

度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。
この検査では、つぎの3つを測定します。
- 動脈のかたさ
- 動脈の詰まり
- 血管年齢
1. 動脈のかたさ
- 動脈のかたさを表すのが「CAVI」です。動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たしていますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合をみることによって、ポンプのしなやかさ、つまり動脈のかたさがわかるというものです。動脈硬化症が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化症を発症しているという研究結果もあります。
2. 動脈の詰まり(足の痛み)
- 足の動脈の詰まりを表すのが「ABI」です。足首の血圧を横になった状態で測定すると、健康な人では腕の血圧と同じくらい、あるいは少し高い値となります。しかし足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。そのため「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断するというもので、その値が0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。
また、その症状は「足の痛み」としてあらわれることが多いといわれています。
3. 血管年齢
- 同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」がわかります。「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化症の進行が早いと考えられます。
脂質代謝検査
クッキーミールテスト

原材料名:小麦粉、バター(乳成分を含む)
水飴、卵/膨張剤
内容量:12枚
栄養成分表示(1食(120g)あたり)
・熱量 592kcal
・たんぱく質 8.5g
・脂質 28.5g
・炭水化物 75.5~79.0g
・糖質 75.0g
・食物繊維 0.5~4.0g
・食塩相当量 0.3g
1. 手軽で実用的なクッキータイプ。
2. 日常の食生活で口にするものを原材料としており、体内での消化・吸収も普段と同様に行われます。
このような方々に負荷の実施をおすすめします。
- 糖尿病疑い
- 耐糖能異常疑い
- 肥満・内臓脂肪(メタボリックシンドローム)
- 高インスリン血症疑い
- インスリン抵抗性疑い
- ダンピング症候群や反応性低血糖疑い
- 高血圧、循環器疾患、高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病
クッキーミールテストの実施方法
1.ご用意いただくもの
・クッキー1食(1,000円)
・飲料:お水またはお茶、コーヒー(砂糖・ミルクは使用不可
2. 実施方法

- 空腹時の採血をします。
- クッキーを食べます。摂食時間は15~20分を目安にします。(最大30分)
食べにくい方でも50%を少なくとも10分以内に食して頂き、残りはその後20分以内に食していただくと負荷試験としての基準が達成されます。
クッキーを半量摂食した時を0として、1時間後、2時間後の採血時間を決定します。
・残りの半量も続けて食べます。 - 1時間後の採血をします。
- 2時間後の採血をします。